美味しさを選ぶ

パンケーキといえば「厚焼き」の生地がふわふわしているものをイメージするという人は意外と多いのではないでしょうか。日本では、「ホットケーキ」という名称で明治時代に提供され始めたパンケーキですが、当時は薄く焼いたもの何枚かにバターとシロップを添えただけのものだったようです。パンケーキミックスの外箱や袋にデザインされているような厚みのあるパンケーキが国内で一般的に提供され始めたのは昭和30年代に入ってからのことで、同時期に家庭で手軽に作れる家庭用ホットケーキミックスの大ヒットによって、瞬く間にデザートの主役に躍り出ることになりました。

昨今のブームの火付け役となった専門店のひとつである「幸せのパンケーキ」では、その時代に提供されていたものよりもさらに分厚くてふんわりと焼きあげられたものが提供されていることから人気を博しています。懐かしい味を求めて訪れた人たちの多くは、そのふわふわ感に驚き、専門店のファンになってしまうのです。

一方で、日本に入ってきた時と同じような、薄焼きタイプのものを提供している専門店も少なくありません。もちろん、ブームになる前から角切りのバターとハチミツを添えた定番のパンケーキを提供し続けてきた店も数多くあります。ホテルのティーラウンジなどでは、長く愛されている定番スイーツとして、ごくごくシンプルなパンケーキが提供されていることが多いですし、老舗のカフェなどでも変わらない懐かしい味を楽しむことができるようにと、トッピングなどを変えず提供し続けているところが多いようです。どちらがいいという話ではなく、好みによって、どちらでも選ぶことができるというのが人気の秘訣であり、長くブームが続いている理由なのかもしれません。

近年できた専門店の多くは、薄焼きでも厚焼きでも、どちらを提供している店にかかわらず、生クリームやヨーグルト、アイスクリームなどのほかに、カットフルーツやナッツ類をたっぷりとトッピングして食べるスイーツタイプに加えて、ジューシーなソーセージや具沢山のオムレツなどを添えた、食事として楽しめるミールタイプも用意しているので、まだ専門店では食べたことがないという人はぜひ足を運んでみるといいでしょう。きっと、パンケーキに対する概念がいい意味で覆されるはずです。もちろん、バターとハチミツやメープルシロップで食べるシンプルなものを楽しむこともできるので、懐かしい味に出会いたいという人にもお勧めです。

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